2016年06月10日

今週の注目感染症 平成28年・22週(5月30日~6月5日)

・感染性胃腸炎
感染性胃腸炎の定点当たり報告数は、第21週6.7人から第22週7.1人とやや増加しています。
これから、高温・多湿の気候となり、細菌が増えやすくなります。
感染予防のため、外出後や調理・食事の前、トイレの後は液体せっけんと流水でしっかりと手を洗いましょう。
患者の嘔吐物やふん便を処理する際には使い捨ての手袋、マスク、エプロンを着用し、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系の漂白剤)で処理しましょう。処理をした後は、液体せっけんと流水で十分に手を洗いましょう。

▼夏の感染症流行状況
・咽頭結膜熱(プール熱)
咽頭結膜熱の定点当たり報告数は、第21週0.5人、第22週0.4人と横ばいで推移しています。
感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫感染と、ウイルスが付着したタオル、ドアノブ等を介した接触感染が中心です。また、この疾患は、別名「プール熱」と呼ばれており、プールで感染が拡大することがあります。
液体せっけんを用いた手洗いを励行し、タオルやコップの共用は避け、水泳前後はシャワーや手洗いを念入りに行いましょう。

・手足口病
手足口病の定点当たり報告数は、第21週は0.1人で、第22週は報告がありませんでした。
液体せっけんを用いた手洗いを励行するとともに、タオルやコップの共用を避けるなど、感染予防に努めましょう。
本疾患は、コクサッキーウイルスA16(CA16)、CA10、エンテロウイルス71(EV71)などのエンテロウイルスが主な原因となり、基本的に予後が良好な疾患です。しかし、EV71は急性髄膜炎や急性脳炎などの中枢神経合併症の発生率が他のウイルスより高いことが知られており、注意が必要です。

・ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナの定点当たり報告数は、第21週0.1人から第22週0.5人と増加しました。
地域別にみると今治保健所でやや多くなっています。
感染予防のため、液体せっけんを用いた手洗いを励行し、タオルやコップの共有は避けましょう。
この疾患は、重症化することはほとんどありませんが、口内炎によるのどの痛みから水分が取れず、脱水症状を起こすことがあります。こまめな水分補給を心がけましょう。

【愛媛県感染症情報センターより参照】
(平成28年6月10日更新)