2020年01月20日

今週の注目感染症 第49・50週・1週(2019年12月16日~2020年1月5日)

発生動向の概況

・今回の報告期間は、医療機関、学校等の年末年始の休暇を含んでいます。
インフルエンザの定点当たり報告数は、2019 年第 51 週12.0 人、第 52 週19.6 人、2020 年第 1週12.7 人となり、注意報レベル(基準値:定点当たり 10 人以上)となっています。
地域別にみると、宇和島保健所で第 52 週 23.0 人から第 1週40.9 人と急増し、警報レベル(基準値:定点当たり 30 人以上)を超えています。
迅速検査の 結果は、第 1週にウイルスの型別が判明した症例のうち、A型が 98.9%でした。
学校等における集団発生(学級 閉鎖等)の報告は第 51 週に 10 施設、第 52 週に 4施設からありました。
学校等の集団生活の再開に伴い、今後さらなる患者数の増加が懸念されますので、感染予防・感染拡大防止のため、咳エチケットや外出後の手洗いなどを心がけ、症状がある方は早めに医療機関を受診しましょう。

・感染性胃腸炎の定点当たり報告数は、第51 週10.8 人、第52 週9.7 人、第1週3.1 人でした。
感染予防のため、 調理・食事の前、トイレの後は液体せっけんと流水で十分に手を洗いましょう。
また、患者の嘔吐物やふん便を処理する際は、使い捨てのガウン(エプロン)、手袋、マスクを着用しましょう。

・日本紅斑熱の届出が 1 例(今治保健所管内在住)ありました。
この疾患は、マダニが媒介する感染症です。
冬季にも患者の届出がありますので、野山や畑、草むらなどに入る場合は肌が露出しない服装を心がけ、防虫スプ レー(ディート含有)を使用するなど、マダニに咬まれないよう注意しましょう。

・梅毒の届出が 4例(第 43 週分含む)ありました。
2019 年の県内の届出数は 82 例となり、感染症法が施行された1999 年以降最多となりました。
この疾患の原因菌は梅毒トレポネーマで、大部分は性行為により感染します。
感染予防に対する正しい知識を持つとともに、早期発見のため、不安のある方は県内各保健所で実施している電 話相談や無料・匿名検査をご利用ください。
また、梅毒に感染したと分かった場合は、周囲で感染の可能性のある方(パートナー等)にも検査を勧め、必要に応じて一緒に治療を行うことも重要です。

【愛媛県感染症情報センターより参照】
(2020年1月17日更新)