2019年12月27日

今週の注目感染症 令和元年 第49・50週 (令和元年12月2日~12月15日)

発生動向の概況

・インフルエンザの定点当たり報告数は、第 49 週4.3 人から第 50 週8.2 人と増加しました。
地域別にみると、今治保健所、中予保健所で急増し、注意報レベル(基準値:定点当たり 10 人以上)となっています。
迅速検査の結 果は、第 50 週にウイルスの型別が判明した症例のうち A型が 99.3%でした。
学校等における集団発生(学級閉 鎖等)の報告は、第 49 週に 2施設、第 50 週に 5施設からありました。
本格的な流行期に入り、今後さらなる患 者数の増加が懸念されますので、感染予防・感染拡大防止のため、咳エチケットや外出後の手洗いなどを心がけ、 症状のある方は早めに医療機関を受診しましょう。

・A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は、第 49 週4.2 人から第 50 週4.5 人と増加しました。
地域別にみると、中予保健所で多発、今治保健所で多い状態です。
特に中予保健所では第 48 週3.5 人から第 49 週12.8 人、第 50 週13.8 人と急増しました。
この疾患は冬季と春から初夏にかけて増加する傾向がありますので、うがい、手洗いを励行し感染予防に努めましょう。

・梅毒の届出が 6例ありました。
2019 年の県内の届出数は 78 例となり、感染症法が施行された 1999 年以降最多となりました(2018 年の累計 76 例)。
性別内訳は、男性 51 例、女性 27 例で、男性は 20~50 歳代の各年代でそ れぞれ 10 例前後の届出があり、女性は 20 歳代が 10 例と最も多く 10~20 歳代で 48%を占めています。
この疾患 の原因菌は梅毒トレポネーマで、大部分は性行為により感染します。
梅毒は、早期発見、早期治療により完治が可能です。
検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
また、妊娠している人が梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、死産、早産、新生児死亡、先天異常が起こることがあります。
感染予防に対する正しい知識を持つとともに、早期発見のため、不安のある方は県内各保健 所で実施している電話相談や無料・匿名検査をご利用ください。
また、梅毒に感染したと分かった場合は、周囲で 感染の可能性のある方(パートナー等)にも検査を勧め、必要に応じて一緒に治療を行うことも重要です。

【愛媛県感染症情報センターより参照】
(令和元年12月20日更新)